萬坊庵・つれづれの記(BLOGと演奏情報)

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2006年 02月 01日

高木元輝さんの思い出

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10年前。
二大FREE JAZZ DRUMMERハン・ベニンクと豊住さんのツアー、広島に来る!
というので、見に行ったら、ソフト帽を目深にかぶったシブいおっさんが目をつぶって、テナーをひたすら吹いていた。凄く太い音だった。フレーズは抽象的だったが、音色はめちゃくちゃリアル。
なんじゃ凄いなこの人最高やな、と思ってたら、終わって「高木元輝さんだよ」と、知り合いのイヴェンターに紹介された。
OHHH!この人があの伝説の・・・・と、納得して本人を目の前に緊張してたら、高木さんが話しかけてくれた。実に気さくな方だった。
「君もなんか楽器やってんの?」
「ええ、尺八を練習しています(自分に自信が無かったし緊張でライブしています、とは言えなかった)」
「あ~~いいねぇ、あの音は心に響くよねぇ」
「いや僕はまだまだです。ところで、今日は良かったです。」
「ハハハ(照れていた)、フリーは久しぶりだよ、ダンスミュージックを最近はよくやってるから。ダンスミュージック好きなんだよ」
「ああ、ZOUND SYSTEM(大阪のレゲエバンド、だと思う)とされてましたよね」
「やっぱり、体感できる音楽がいいよね。今度は、君とも一緒にやりたいね」
「いや~~、恐れ多いですよ・・・そんな」
「舞台の上では、みんな平等なんだ」

最後の言葉にぐっと来た。

その後、高木さんが、在日朝鮮人(李元輝)だということを知った。
日本のあちこちを転々としてたらしい。
福岡にも居たことあるんだよ、と、とあるテナーの大御所から聞いたこともある。

最後の言葉に余計、重みが加わる。

その5年後、高木さんは亡くなった。
共演は果たせなかったが、心に残る言葉を残してくれて、感謝している。

by ryosai160 | 2006-02-01 00:00


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