萬坊庵・つれづれの記(BLOGと演奏情報)

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2013年 11月 12日

「眼」と「眼」~映画『共喰い』に寄せて

初めも終わりも無いのに、どこから書き始めればいいのか。

ヒトの間のデキゴトと、その傍らにある、時の間に流れているようで停まっているモノたちの存 在。
作品を超えて、この世界の無常と不可思議な均衡が心に湧き上がり、染み渡ってくる。

『共喰い』は、映画化の話が持ち上がったときから心待ちにしてたから、封切と同時に観に行った。
観て、先ずホッとしたのは、田中慎弥のどこまでもStill lifeを見据える「眼」が充二分に映画化されたということ。

後半のストーリーの「付足し」は、青山真治の何時もの「眼」である。
それが何であるのかは敢えて言うまい。
それは唐突で不器用であるが、青山氏の誠実さと僕は思った。

作品を観て、ディテールの批評をどうこう書く、という気には今でもなれない。
この短文を書くのに2ヶ月余りを要した。
反復と咀嚼と忘却。

by ryosai160 | 2013-11-12 20:03 | thought/idea


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