念願かなって、大改修を終えた唐招提寺に足を運ぶ。
しかし、改修の跡は全然判らない位に、建物と風物の全てが元のまんまのように、自然に、そこに、太陽の下で静かに佇んでいた。
最初は意外な感じがしたが、そのうちにジワジワと技を超えた技、を体感する。
本当に素晴らしい。
宝物殿には、8世紀のもの中心に、仏像などが展示してあった。
1300年も掛けて、そこに、存在している。
人間はせいぜい生きても、100年ぐらい。
モノとして鑑賞の対象になっている「彼ら」から、逆に、全てを見透かされているようでもあった。
これは、単なる「無常」という言葉では語れない。
「永久物質」という言葉が浮かぶ。
夏の日差しの下、蝉の泣き声も、止まって聞こえる。
そんな瞬間もあり。