萬坊庵・つれづれの記(BLOGと演奏情報)

manbowrec.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2009年 05月 01日

「地図」のある音楽

今日は、この夏、フランスでリハーサル予定(細かい事情は省くが、2年ほど前から話のあったフランスでのコンサートが最近になってイキナリ決まりだしたのだ)の、山本成宏先生作曲の曲(僕の尺八と2人の打楽器という編成でタイトルは今のところ仮題なので今は公表しない)の内容と、フランス行きについての打ち合わせを、先生と天神の某珈琲店にて。
ほぼ完成した譜面を見せていただきつつ、曲のアウトラインの解説を綿密に受ける。とともに、尺八の奏法についての情報提供、曲中で使用予定のエフェクター始め機材についての具体的な検討。先生は、電子音楽も製作されているし、かのクセナキスの作ったUPICシステムによる作曲の日本代表で行かれたこともあるので、この辺についてはお詳しいし、イメージ豊かなので話していて勉強になって楽しい。(ちなみに、今まで日本でUPICの話題にサッと付いていったのは僕だけらしい・・・)
とはいえ、フランスに機材を持っていくことになったので、変圧器も調達せねばならないし、、乾燥で尺八が割れてはいけないので湿気をどうやってキープするのかとか、色々とアタマいたし。
しかし、曲のレクチャーは面白かった。出来合いの曲を演奏するのではなくて、現在進行形の作曲の過程にお付き合いしつつ、その世界観を共有する・・・・なんて、なかなか出来る体験ではない。

先生は、音による世界へのマッピング、つまりは音の「地図」を作成されている。
僕たち演奏家は、その「地図」を元に、音の「旅」をするわけだ。
道筋はほぼ決まっているものの、その中で「旅人」なりの創意工夫が出来る。そこに、自由がある。
(と、考えれば、殊更に「現代音楽」だなんだ、って言わないで済む、という自由も生まれる)

なにせ、僕は単なる尺八吹きだから、それ以上のことは出来ないし関心がない。

武満徹とドビュッシー、そしてアンドレ・クリュイタンスの指揮の素晴らしさ。
東京を中心にした現代音楽業界のセクト化。 ク○シック界の閉塞状況。
話は尽きず、あっというまに4時間経ってた。

最後に、魚釣りの話をして別れる。
糸島の某漁港でナカナカ釣れるらしい・・・・
この連休中に行こうかな。

by ryosai160 | 2009-05-01 23:39


<< 夜の友/マヘル/ストラスブール...      4月は >>