萬坊庵・つれづれの記(BLOGと演奏情報)

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2013年 02月 24日

映画『最初の人間』を観て:断片

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「そこ」に生まれて「そこ」に育ち、やがて「そこ」を出る。
「そこ」は、自分で選び取ったものではなく、与えられたものである。
しかし、「そこ」と運命を共にし、「そこ」を生き抜くことで、「そこ」を超えて無数の「そこ」に生きる人々の心に届く言葉を手にし、力を得る。

サルトルとカミュはよく比較されるが、僕の中で、サルトルの思想の場所は「実験室」というイメージがある。
カミュの思想の場所は「現場」。愚昧で粗野な人間たちが身をおく場所であり、その中でもがくしかない。高みはどこにもない。手探りで、進むしかない。だから、矛盾だらけでリアリティがある。

フランスに行った時に感じたのだけど、フランスにおける「文化帝国主義」はどうしようもなく根深いものがある。
僕は日本人だからまだ「外」から眺めることが出来るが、フランスの植民地という「内なる外」の民にとっては、フランスという「中心」は、永遠なる「異和」であるのだと思う。たとえ、「忠誠」=identifyを誓ったとしても。

顔も見ないままの「父親」、それが「最初の人間」。
自らの「中心」を求める。
「そこ」に今在るのは、「最初の人間」が・・・

by ryosai160 | 2013-02-24 21:15 | diary