萬坊庵・つれづれの記(BLOGと演奏情報)

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2007年 10月 14日

「灯籠まつり」にて尺八独奏

長崎県大村市の楠本正隆屋敷にて、大村市主催のイヴェントの一環で、僕の尺八演奏の時間があった。

とてもよく手入れが行き届いている素晴らしい場所。こういう場所で思いっきり演奏できる、という幸せ。
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今回は着物着用で、PA全く無しの、池の中の中洲にて尺八を吹く、という、純和風のシチュエイション。(写真提供:Hさん)
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虫の声・暮行く空を共としながら、時に池の水面に映る木々の姿の深遠さに眼をやりつつ、4曲演奏。
息をして音を出す、そのままの音が、水面を渡って行く。
ライトアップされた中に、僕の姿が浮かび上がり、非常に幻想的だったそうだ。

僕自身も、ちょっと不思議な体験だった。
お客さんに自分の演奏を聴かせる、という意識が殆ど無く、全ての空気をひとつのものとして感じながら、ただただ、その場所で吹く、という気持ちになった。曲が終わったときの拍手で、ハッと我に返る、という感じ。そして次の曲を始めたら、また、別の意識に行く感じ。
曲は、その空間の中での音のガイドに過ぎず、それで何かを訴えたりしようというものではない。練習してきた曲を上手くお聴かせする、という態度では、場所を真に感じて音を出すことは出来ない。

一音一音に、意味がある。
意味=意思+味。

虚無僧の境地だ、と思った。


終了後は、庭や屋敷の中を散策したり、招いてくださった市役所のHさんに連れられて大村神社のお祭りを見に行ったり(大村桜も見たが勿論花は咲いていなかったww)、鯨肉に舌鼓を打ったり。素晴らしく美味であった。
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写真は撮り忘れたが、インゴチ(メゴチ)の煮付けも堪能。
そうそう、名物の大村寿司(左)もご馳走になった。
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Hさんとは、これからも、音を通して親睦を深めていきたいと思っている。
素敵な時間をありがとう、Hさん。

by ryosai160 | 2007-10-14 17:30
2007年 10月 14日

「夢の如し」レコーディング

シッカロールというバンドの、来年1月に全国発売されるCDに収録される、「夢の如し」という曲に参加させて頂いた。
太宰府の山の中にあるスタジオにて。

非常に楽しく濃い時間。
メンバー、そしてスタッフの真剣勝負、かつ和気藹々の雰囲気の中で、今まで練りに練ってきたフレーズを演奏し、プレイバックを聴きながら手直し、その繰り返し。
結果的に、お互いに納得のいくテイクになった。

念願の、Pro Tools7.1(300万円らしい・・・絶句)でのレコーディングも体験できて感無量。

シッカロールの皆様、スタッフの皆様、大変お世話になりました。
CDのヒットを願っています。

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by ryosai160 | 2007-10-14 16:52
2007年 10月 07日

暗闇の中のピアノ

今日はバンドのレコーディングであった。メンバー宅で行われたので、時間を気にすることなく、ノビノビと和気藹々と演奏できた。
機材の発達で、宅録でもゴージャスな音になるしそのまんまプレスに出せるぐらいのクオリティーの音質になる。
凄く有難いことだと思う。こういう時代に生まれ合わせた事に率直に感謝している。

しかし、一方で・・・・
最近見た、「ディア・ピョンヤン」という映画の中の、電力不足のための節電で真っ暗のピョンヤンの夜の闇の中で、蝋燭の光だけを頼りに、ピアノの練習をする子供・・・・当然、譜面(全部日本の親戚から送られたもので当然日本語表記)を読むのもままならないので、暗譜で(ショパンの「革命」だと思うが)一心に練習し、それを周りで熱心に見守り聴き入る親や親戚たち・・・・そのシーンが、事あるごとに心に蘇る。

彼らには、恐らく、DTMとか宅録とか、縁の無い話であろうと想像する。
個人で自由に音楽を作り演奏し発表する、なんて夢のような話かもしれない。

でも、僕は状況の「優劣」を問題にしたいのではない。

どんな状況においても、無心に音を奏でる行為があり、心を込めて聴き入る精神がある。
そのことを思う。

思うだけでなく、忘れないようにしたい。
何時までも。
そして、自由というものが、どこにあるのか・・・・
この、暗闇の中でピアノを練習する子供の心ほど、僕の心は自由で研ぎ澄まされて音を出すことへの「重さ」を感じているのか?
忘れかけていることを忘れないようにしたい。

by ryosai160 | 2007-10-07 23:47
2007年 10月 06日

秋の一日~インド音楽・「サッド・バケイション」

アジア美術館で、コンサートを楽しむ。福岡では珍しいインド音楽。
タブラの水面を叩くとこういう感じなのかと思うほどナンともいえない弾力のある低音、サーランギの宇宙的なドローンとそれを分節したフレーズ、そしてバンスリのまろやかな音色。
始めと終わりが無い、というか、それが繋がっている音の構造。昔齧っていた太極拳は円運動が基本であった。その頃はよく理解できなかったエネルギーの動きが、今は良く分かる。

ツナパハでカレーを食って、ショッパーズで面白い柄の長袖Tシャツを買う。犬同伴OKのカフェに行ってラテ。ワンちゃんは全然居なかったが・・・

夜は、北天神のKBCシネマで「サッド・バケイション」を見る。
全編、北九州ロケ・・・戸畑・小倉・門司・八幡・若松・・・・馴染みのある風景の中で展開する物語。
前作の"HELPLESS"の剥き出しでどこか粘っこい、それゆえに人間くさいバイオレンスは影を潜め、あっけなく「決まって」しまうバイオレンスになっている。それは、前作から10年ぐらいをえてスッカリIT社会になって、まるでパソコンのリセット感覚で命がしまえてしまう事件が後を絶たない「今」の暗喩なのか。画面の構成も至極アッサリとしている。色んなことで質感が変化していることを痛感。
しかし、超ハードな物語を、お終いで、強烈なファンタジーで覆す、この「無」の感触はとても心地よかった。

そして、若戸大橋の映像をバックに、アルバート・アイラーの"GHOST"がハードロックアレンジで炸裂したのにはヤラれた!! 体中のアドレナリンが噴出す。

中上健次的な世界が蘇る。僕は浪人生の頃、中上健次をむさぼり読んで、その世界の中をさまよっていたので(ヒロヒト天皇の死でそれは終わったが)、「あの感覚」を思い起こしてとても嬉しかった。
ウキウキしながら、GHOSTを口ずさんで天神駅に向かう。

破壊せよ、とアイラーは言った、か。


"HELPLESS"は10年ぐらい前に広島駅の映画館で見た。
青山監督のトークショーがあった。
そして、彼は、ギターを弾き語った。何かROCKの曲だったと思う。
ストレートな人だな、と思った。

by ryosai160 | 2007-10-06 23:59
2007年 10月 01日

天才画家・靉光(あいみつ)を見る

広島県立美術館に念願の展覧会を見に行く。
ワザワザ足を運んだ価値は十分にあった。
2時間半、浸りまくった。

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広島出身の画家・靉光(あいみつ)の生誕100年展・・・・今年の僕の中での奇跡、というか輝石というか、とあるコミュが縁で知り、なかんずく、見たくて見たくて堪らなかった「乞食の音楽家」を至近距離から好きなだけ見れた、この僥倖。
笛を吹く人の絵は沢山あるけど、音のオブジェが「聴こえて」くる絵は無かった。

そして、「乞食の音楽家」・・・・心にシックリ来るこの言葉。

モデルは明らかに、元祖虚無僧・一休宗純である。
「心に心 心ゆるすな」・・・鈴を振る代わりに笛を吹く。

岩料に、溶かしたロウを混ぜて描いているので、くすんだ中にも光沢のある不思議な質感。こういう形では、誰も試みたことの無い手法。 新しい表現のために。
僕も、音の質感を色んな形で求め続けているが、一筋の光を差し示された想いで一杯であった。
啓示。これである。

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代表作の「眼のある風景」と、僕の眼。

by ryosai160 | 2007-10-01 23:59