萬坊庵・つれづれの記(BLOGと演奏情報)

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2008年 08月 19日

福田輝久氏の尺八音楽と僕

僕は尺八吹きであるけれども、普段は殆どそれを意識して音楽活動をしていない。
というか、何時も、音(楽)のことばかり考えていて、尺八は、それを表現するための最適かつ腐れ縁の女房(笑)的な存在である、というのが正直なところ。
だから、尺八の世界でよく見受けられる、自意識過剰気味のオタク的な尺八マニアとか、枝葉末節にしか目の行かない小姑的な下手糞どもとか(おっと、問題発言か??)、技術は素晴らしいのに詰まんない事ばっかりやっている奏者とかには関心が無い。

でも、尺八で目一杯音(楽)を奏でている人、には今でも関心がある。
いやいや、そういう先達たちの御蔭で、ともすれば、大学の邦楽サークルという狭~~い世界で尺八を始めて、そのまんま、尺八オタクに陥りがちであったろう僕が、曲がりなりにも、音(楽)出来るようになってきた、といえる。

今回取り上げる福田輝久氏もその、先達のお一人である。
尺八を始めて4年ぐらいして、とある雑誌で偶然知って、速攻でご本人から購入した SHAKUHACHI BANQUET という外国盤の尺八ソロ集。(それまで、福田氏に関しては、日本音楽集団の団員という認識しかなかった)
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古典曲と現代音楽が、まったく、同一の空間に、尺八の音(楽)として止揚されて存在する、そして、それを可能にする福田氏の尺八に対する熟知とテクニック、音そのものに対する広い視野・・・・その在り様に、衝撃を受けた。
たとえ難解な曲想であっても、常に、一音一音に情熱を込めて吹きまくることによって、譜面として抽象的に存在していた音たちに生命を与える、その行為に、「曲を上手く吹けただけで満足する」といった、それまでの僕の尺八と音(楽)に対する態度を根本的に変えるものがあった。
つまり、このCDの御蔭で、尺八を通して、色んなことを見てみよう体験してみよう、そして、たとえどのようなシチュエイションであっても、自分なりに尺八と共に存在しようという、今に至る態度と思想が芽生えたのである。

偶然に感謝、そして、その必然に感謝。

今回は、尺八と弦楽四重奏のCDを購入。
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僕も、いつかは、弦楽四重奏との曲を書いて、共演してみたい、と密かに思っている。
このCDを導きの糸として。

by ryosai160 | 2008-08-19 21:10


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