萬坊庵・つれづれの記(BLOGと演奏情報)

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2009年 02月 23日

22日 歌舞音曲スペクタクルショウ2009 at FUSE(小倉)

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毎年年明け恒例のこの行事。
毎年恒例でメンバーも高齢になってきている気が・・・・笑。
僕もこのイヴェントが始まった時から12回目になるのかな。
タイトルどおりの、音楽を演奏するだけではなくて、その場自体が、世界劇場のような体験の場である、シンドいけど楽しいイヴェント。花粉症でやっぱり、キツかったが(苦笑)。台詞をトチる役者のように、フレーズをトチるミュージシャンも散見されるけど(僕のことか・・笑)、それも、劇場の中の1シーンなり。何時までも固まりようのない独特の熱くてアホでヒップなノリの音楽は、いろんな意味で「やっぱり」な音楽である。
「やっぱり」ソレかい!
とか
「やっぱり」いいねぇ~~
とか。
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今年のメンバー
ヴァイオリン・音頭とり:谷本仰
サックス:佐野哲也、西田弘道
トランペット:築城勝彦
トロンボーン:倉田健一
フルート:坂口雅仁
尺八:森川良哉、山崎箜山
ギター:宮野章、原田敏夫
ベース:フクヤマワタル
ヴォーカル:やまだゆか、野口ジュン
歌:ミステリアス・ケイト
ジャンベ:アジ
パーカッション:加藤正文
ドラムス:白川和宏、檜皮勇介
口上他:山田ツトム
舞踏:万華鏡樹里
ダンス他:単独旅行舎


ずっと顔を合わせている人、腐れ縁の人(笑)、初めましての人、久しぶりの人、と色々。

腐れ縁はこの人(笑)。単独旅行舎のオオツキ君。広島時代からの付き合い。しぶといヤツだ・・・人のことは言えんか・・・(苦笑)。
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サックスの中村勇治さんは事情で出演できなくなった。
1週間前の遠賀町でのリハーサルの帰りに、車に乗せてもらって送って頂きつつ、色々と、即興とかフリージャズとかの話をした時は、共に本番に向けて気持ちが盛り上がっていたが・・・・何が起こるか分からないな、と痛感する。
本番のときも、居るべき人が居ないと言う寂しい気持ちではあったが、彼の分も吹こう、と思うことしかできなかった。

それでも、本番はあっという間の2時間であった。
久しぶりに、私淑する山崎箜山さんとご一緒できて大変嬉しかった。
こういうライブイヴェントでは珍しく、箜山さんのソロも別コーナーで堪能できた。
本流のビシッとした尺八の演奏を、並み居る老若男女がしーんとして聴き入る・・・同じ尺八吹きにとって、胸が熱くなる光景である。
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そして、呆けすとらで共演もさせていただいた。

しかし、非常に対照的な出で立ちと芸風の2人であったと思う。
都山流の本流を行かれつつ、全国津々浦々で吉田兄弟等メジャーな方たちとの共演体験豊富な(5孔)尺八奏者は、作務衣と雪駄という和の衣装を身にまとい、悠然とした構えで竹の音を奏でる・・・・
方や、無手勝流の(7孔)尺八吹きは、足元にオリジナル(我流)配線のエフェクターを並べて、赤い服と黒ズボンで、機械によって奇怪に変調された元・尺八の音を身をくねらせつつ発する・・・・
強引に言ってみれば、クラシックヴァイオリンのメニューインと即興エレクトリックヴァイオリンのジョン・ローズが一緒のステージに立っているようなものか??・・・・ってこういう比喩、音頭とりの谷本さんにしか分からないか(笑)。
でも、楽屋では、やっぱり、尺八談義に花が咲いて楽しかったけどね。芸風は違っても、尺八という楽器(楽しい器)をこよなく愛する人間同士の時間が持てて、とても生きる力になった。
ホントにマイナーで排他的な尺八の世界に、しかも、地元にこういうオープンマインドな名手がいらっしゃることが、ラッキーとしか言いようが無い。

こういう出会いの場・音で生きる場・生きることと音が繋がっている場・・・を提供し続けてくれる谷本さんの無尽蔵の気持ちに報いるためにも、今出来ること・僕の体験した音の世界を惜しみなく曝け出す事・・・は、精一杯やったとは思うけど。
それが自己満足でなくて、客席一杯のお客さんの中に、僕のようなマイナーな暗がりの気持ちを持っている人間が1人でもいて、その人の心に届いてたら、言うこと無いんだけど。

出会いと構造、ヒトと空間の中で音というのは発せられるものだから。

今年で12回目・・・・僕は今年、40歳になるのだが、思えば、30代の自分で言うのもなんだけど多彩な音楽生活の中に、何時も、呆けすとらが在った。
大人数でユニゾンで音を出し、お互いのソロで刺激をしあい、というような音楽の原点のようなサウンドの中でずっと演奏できたことは、振り返ってみて幸せだったと思う。
いろんなヒトとの出会いもあった。
去る人来る人、変わらない人。
10年余り・・・なんてあっという間で、その間には、尺八のみならず、音楽を続けることが出来ないかも・・・という危機が何回もあった。
でも、やってるんだナ。
まあ、日陰者の尺八吹きが細々と活動することなんて、別に難しいことではないが、とも思うけど。変な気負いさえなければ、ナンだってできるし。

変わったこと。呆けすとらに参加したてのころはカセットテープに録音していたのに、今は、SDカードにHDRで録音してPCにファイルを保存。 途中、DATやMDも使っていたな。今は、メディアを用意する手間もメディア切れの心配もが無くなった(SDカードは1枚でmp3なら延々と録音できるし)。
時代も変わった。

でも、やっぱり、僕は、変わらないものを追い求めていこうと思う。

by ryosai160 | 2009-02-23 20:53


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